体育祭(運動会)では、学校によって開催時期や種目(プログラム)が違う場合があります。では、学校ごとにどのように決めているのか元教師が解説していきます。ちなみに、小学校までが運動会、中学校からは体育祭と呼びます。
体育祭の時期はどうやって決めている?
体育祭の時期ですが、5月や6月といった1学期(前期)の学校もあれば、9月や10月の秋開催のところもあります。スポーツの日が10月にあるように、昔は10月開催が多かったようにも思えます。では、どうして学校によって開催する日時が違うのでしょうか。
まずは、開催できる月はある程度決まっています。4月は入学(進学)してすぐですし、7月8月は熱中症のリスクや夏休みの関係から開催は難しいです。11月以降は寒さが厳しい点と、受験シーズンに入ることから開催はしません。よって、開催できる月は5・6・9・10月に限られてきます。
そこから、各学校の行事の実情によって変わります。文化祭や合唱コンクール等、学校によって開催している時期が違います。多くの文化的行事は秋に行うことが多く、これと並行して体育祭を行うことは難しいため、5月や6月の開催にしている学校が多くあります。ただし、5月や6月はクラス替え等を行って間もないため、本来であれば2学期に行うことが望ましいです。よって、できる限り文化的行事とかぶらず、クラスの仲も深まった9月に体育祭を行う学校も多くあります。ただし、最近の温暖化による残暑の問題もあり、毎年のようにいつ行うかは行事検討委員会という会議で審議されています。
体育祭の個人種目はどうやって決めている?
基本的な種目は、明治時代に始まったと言われる運動会の種目を参考に、短距離走・障害物走・二人三脚・借り物競走等、定番の種目から選択されます。ここから、各学校の実情によって種目が選ばれていきます。
では、実情とは何かというと、まずはグラウンドの大きさです。短距離走は基本的には直線で行われますが、観客席や待機席を除いて、直線でとれる距離が学校により変わってくるので学校によって距離が変わってきます。
また、他にも道具の有無や時間によっても個人種目は変わってきます。新型コロナウイルスによって、二人三脚等の接触を伴う種目の変更なども起こっています。
体育祭の団体種目はどうやって決めている?
特に各学校によって種目が変わっているのが、団体種目です。リレーや学年種目といったものですね。リレーについては、先ほども述べたグラウンドの大きさや、クラスの人数等によって距離や走る人数等を変えています。
学年種目に関しては、基本的には各学年の先生たちで決めています。ただし、毎年同じ種目を行うことが多いです。では、学年によって時々種目が変わるのはどうして起こるのでしょうか。
理由の一つ目は人数の差です。台風の目等は、横一列にクラスが並びますが、学年によってクラス数が変わってくることがあります。場合によっては1学年違うだけで、2クラス違うこともあります。そうすると道具が足りなかったり、場所が確保できないという観点から種目の変更が必要になる場合があります。
理由の2つ目は生徒の実情によるものです。例えば、以前あった変更としては、学年に車椅子を利用している生徒が複数名おり、少しでも参加できる種目をつくろうということで、学年種目を玉入れにしたこともあるという話を聞いたことがあります。
理由の3つ目は新型コロナウイルスによるものです。最近の変更はほとんどこのせいですね。ムカデ競走や台風の目なんかはどうしても他人との接触が必要となってしまい、感染のリスクが起こります。接触や密をできるかぎり減らしつつ、体育祭を開催する苦肉の策として、種目の変更を行っています。
まとめ
体育祭の時期や種目が学校によって違う理由についてまとめてみました。この他にも3年生は部活動を引退し、体力が落ちている関係で、春開催と秋開催では種目や距離が変わることもあります。
また、種目の変更については各学年の先生が考え、それを全体の会議にあげて、種目の重複の確認や実施の可否を決めていきます。
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