8月20日、東京・澁谷の路上で親子が刃物で刺されケガをした事件で、警視庁は22日、中学3年生の少女を殺人未遂の疑いで送検しました。少女は埼玉県戸田市内の中学校に通っているということがわかっています。
今回は、このような事件が起きた時に学校内ではどのような対応をしているのか、元教員に聞いてみました。
少女の普段の学校での対応は?
”ニュースによると、少女は中学1年の冬ごろから不登校気味となり、週に1~2度ほどは学校に行っていたが、その時も保健室などで過ごしていた。部活動にも行かなくなっていたという。”
なんらかの理由で、学校に行きづらくなった生徒が保健室登校をするということはよくあります。また、最近はそれぞれの自治体にもよりますが、不登校の生徒が通える相談室があり、先生や相談員の方に話を聞いてもらったり、数時間勉強をするというケースも多くあります。基本的に先生は、生徒が不登校だった場合でも3日に1回は生徒の顔を合わせるべきと言われています。保健室だったとしても投稿していた場合、そこで顔を合わせていたと考えられます。(完全な不登校だった場合は週に何回か家庭訪問をすることになっています)そこで、学校の様子や授業の進度を確認していたことでしょう。
事件を受けて教育委員会の対応は?
”22日、戸田市教育委員会が緊急会見を開くも、15歳少女が誰なのかわからない。全校長が参加する臨時校長会を開催し、情報が入ったら迅速に報告するようにお願いした。また、他の生徒の心のケアに努めるように伝達した。”
教育委員会では、少女が誰かわかっていないということですが、結論から言うとこれが真実かどうかはわかりません。事件が起こると、その時によって情報の入り方が違います。今回は未成年ということもあり、警察がかなり強く情報規制を行っている可能性もあります。「中1の冬ごろから不登校の生徒は限られているのではないか」という意見もありましたが、ここで怖いのは違う人を特定してしまうことです。中学生という多感な時期でもあり、世間やマスコミだけでなく、周りの友人や近所の人からの目もあり、万が一にも間違えるわけにはいかないのです。なので、憶測だけでは教育委員会も話さないということですね。
そもそも、間違いでなかったとしても少女の中学校や家を特定することはするべきではないと思います。
事件を受けて各学校の対応は?
各学校ではとにかく、他の生徒の心のケアを第一に考えて動きます。少女の特定をしようと、マスコミや心無い人が各学校を訪れ、「こんな少女はいた?」と中学生に聞くことが予想されます。実際にSNSでも、情報を求めている人がいます。生徒によっては、とてもショックを受けている人もいます。なので、登下校の見守りや、地域のパトロールも先生たちは行うことがあります。今は夏休みなので、学校メール等でなにかあった時には学校や相談機関に連絡するように通達されていると予想されます。また、間もなく始業式を迎えることになるので、学校が始まってからは各校に先生方の他にも相談しやすいカウンセラーが配置されることがあります。
「各学校では、生徒の特定ができているのではないか」という意見もありますが、現在は夏休み中で難しいと思います。学校が始まり、保護者と連絡をとった際に判明することもありますが、保護者の方が申し出なかった場合、先生方から「お宅の子が少女ですか?」と聞くわけにもいかないので、特定することは難しいかと思います。
まとめ
今回は元教員に話を聞き、学校の立場から今回の事件を見てみました。大きな事件だけに、情報統制がとても大事なので、教育委員会や学校がどこまで把握しているのかはわかりません。しかし、大切なのは周りの生徒の不安を少しでも取り除いてあげることです。自宅や学校を訪れたり、不確かな情報を発信したりすることはしないように気を付けなければいけません。
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